店長プロフィール

大野 裕(おおの ゆたか) / Yutaka Ono
THREE PEAKS 店長/運営責任者/1988年生まれ

社会人2年目に漫画『孤高の人』に出会い、クライミングの世界に飛び込みました。
未経験から始め、登ることの怖さや達成の喜びを通して、自分自身の内側と向き合ってきました。

それぞれの体の特徴に合わせた無理のない指導を大切にし、これまでに初心者から大会志向の方まで、1000人以上の指導を行ってきました。
「できた!」という感動が自信につながる瞬間。その積み重ねを、一緒に大切にしたいと考えています。

経歴・実績
• ボルダリング歴15年/指導歴14年
• 幼児体育検定取得
• THE NORTH FACE CUP Division 2本戦出場/コバトンカップ 優勝(ボルダー)
•外岩登攀実績/小川山:Rampage(四段)/三峰:伊舎那天(四段)/赤城:オーメン(三〜四段)など
他にも複数の三段以上の課題を完登。YouTubeでは実際の登攀動画も公開中です。
詳しくは下記よりご覧ください。
https://youtube.com/@yutakaoono308?si=tzxpJ9nzA6LCV7Rj

趣味・運動経験

軟式・硬式テニス/バドミントン/卓球/スラックライン/水泳/スノーボード
アウトドア/コーヒーとお茶/アクアリウム(水槽管理)/観葉植物

メッセージ

小さい頃は、「こうしなさい」「こうあるべき」という期待の中で育ちました。
自分の気持ちよりも“正しさ”が優先される毎日。
感情を出すことすら許されないような空気の中で、心の奥に反発と孤独を抱えていたと思います。

だから今、感情を持て余す子どもたちの気持ちが、よくわかります。
言葉にならなくても、イライラしても、泣いてもいい。
そう思える空間をつくることが、僕の原点の一つになっています。

20代前半、スノーボードで落下して椎間板を痛めたことが、人生の大きな転機になりました。
当時は、縦社会や悪口が当たり前の職場環境に苦しみながら、誰の顔色を見て生きるかばかりを考える毎日。
心が限界に近づき、無茶をしてしまったのは、あの環境の反動だったのかもしれません。

さらに30代前半には、慢性的な腰の痛みと脚のしびれが悪化し、病院で脊柱管狭窄症と診断されました。
医師からは「この年齢でこの症状は正直、見たことがない」と言われたほどで、
神経痛や不眠、精神的な不安定さ、体重の急激な減少といった症状に長く向き合うことになりました。

それでも僕は、「登れなくても、ここに立ち続ける」ことを選びました。
動けない日があっても、離れたくなかった。
居場所を求めていた“かつての自分”のためにも、
今、誰かが安心していられる場所を守りたかったからです。

コロナ禍では経営も揺れ、来場も激減しました。
一人でできることを模索しながらも、「登れる人だけの場所」ではなく、
登れなくても、人と誠実に向き合える場所を守りたかった。

そんな思いで続けてきた中で、
誰かと比べて動けなかった子が「自分のペースで登りたい」と言ってくれたり、
元々感情表現が苦手だったのに、笑顔でピースをしてくれるようになった子、
作業を手伝ってくれる大人たちが少しずつ増えてきました。
もちろん技術や体力の向上を喜んでいただく声が一番多いですが。
「こんなに手伝ってくれる場所、なかなかないですね」と言われるたび、
このジムに流れる空気が、どれだけ人を支えてくれているかを実感しています。

ここに来た誰かが「いてもいい」と感じられること。
それが、過去の自分にとっても、今ここにいる人にとっても、静かに続いていく希望になると信じています。

〇YouTube